040: 後輩に何か教えたい

尺八の後輩に、何か教えてあげたいと思うのですが、どういったことをまず、教えればよいでしょうか。

人に教えるという行為は、その事柄についての楽しみを知らないと、できません。

そりゃ、パソコンなんてちーとも楽しくないや、とか思っていても、
会社の後輩にエクセルの表の貼り付け方を教えることはできます。

これを、行為の伝達、とここでは呼びます。
行為の伝達は、100を教えたら100が、確実に伝わります。これはこれで、全く問題ありません。

楽器の演奏に関しても、行為の伝達は何も難しいことはありません。

全部ふさいだらロ。一つ開けたらツ。半分閉じたらツのメリ。ただそれだけです。
演奏技術のHowtoは、言葉で伝えて100%必ず伝わります。

なので、ここでは、行為の伝達ではなく、もうひとつ上のランクの伝達、「感動の伝達」について考えます。

感動の伝達は、100伝えようとした中で、その場で果たしていくつ伝わるか、わかりません。
目隠しをしてのスイカ割りのようなもので、だいたいの見当でもって討ちこんで、当たればしめたもの、くらいの感覚です。
ものの感じ方、受け取り方が人によってまちまちなので、なかなかジャストミートは難しいのですが、
100の中の10だけでも伝われば、その後それが本人の中でやる気となって自己増幅して、1億になったりする
可能性を秘めているのが、「感動の伝達」です。

是非こっちの方を、伝えてください。

感動の伝達は、その事柄についての楽しみを知らないと、できません。

自分が楽しい!と思う箇所はどこなのかを、まず明確にしましょう。

尺八を吹いていて、今までで一番楽しかった瞬間、
もしくはここが最高に楽しい、面白い、気持ちよいと思う部分、状態、あるいは曲のワンフレーズ。

そしてそれを教えよう!とするのではなく、まずは相手と共有することを目指しましょう。
自分が相手のレベルに合わせて降りていくのではなく、相手に自分と同じレベルまで登ってくることを要求してください。
その時点でできるかどうかは問題ではありません。
そこにそれが存在すること、それを鮮明に意識させることが、重要です。

さてここまでで、自分は、楽しい箇所は、特にありません、よくわかりません、という方、
残念ながら、今はまだ人に教えるべきではありません。自分の心配を優先しましょう。

感動の伝達は、自立型の演奏行為を誘発します。
つまり、勝手にやりたいことをやり出す状態。
その状態に導いてあげれば、もう手がつけられません。勝手に上達していってしまいます。

楽しくて仕方なくて尺八を吹く尺八吹きを、あなたの手で、量産してください。


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posted at 2005年02月10日 04:07 | Comment(0) | 尺八
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