052:初学時に竹管は必要か

初心者です。プラスチック製の尺八を使って練習していますが、この尺八をこの先ずっと使っていくことは可能でしょうか。

結論として、練習管を長期間使い続けることは、お薦めしません。

尺八の購入に関しては、上達塾028.尺八を初めて購入するで概要を説明しました。

性能的なことを考えれば、一般的に、練習管は竹管に劣ります。(練習管は、価格面でのメリットがあるので、これはこれで間違っていないと思います)
高価な竹管を持つまでの通過点、準備期間として、練習管を使用するのが一般的といえます。

但し、勘違いしないで頂きたいのは、初心者だから程度の悪い道具でも構わない、という考え方ではありません。飽くまで、竹管に乗り換えられるのであれば真っ先にそうして欲しい、というスタンスです。

往々にして、器用な人ほど、現状の環境の中での最適ポイントをいち早く探り当ててしまって、そのまま慣れてしまいます。
また、音量の増大に関して、初学時を逃すと、その後それ以上の音量を求めるという意識が発現しにくくなります。
適切な指導が受けられればこうした問題も解消できましょうが、自力でこれを克服するのは、ほぼ神業です。

言ってしまえば、練習管で練習している時間というものが、もったいなくて仕方ない。始めたての頃は、それなりにやる気もあるはずです。その高効率が期待できる重要な時期に、わざわざ非効率な練習を続けるのは、ようするにもったいない。

筆者持論ですが、尺八の「本当の音」を一度でも出してしまった人は、その後ほぼ一生、尺八から逃れられません。
裏を返せば、尺八を始めてみたものの途中でやめてしまう人というのは、「本当の音」に到達したことがない人といえます。

「本当の音」を出すのが早いか、やめるのが早いか。
尺八人口を増やそうということを考えるときに、究極的にたどり着くポイントはズバリ、ここです。

練習管では、残念ながら、「本当の音」を出すことはできません。
どうか一刻も早く、竹管を吹いて欲しいと願うばかりです。

但し、尺八を始める最初の最初から竹管を持つことには、むしろ反対です。
練習管でひととおり、楽器の扱いに慣れるべきです。
尺八のつなぎ方、はずし方、露切りの通し方、離席時の気遣い、カバンの中での位置取り、電車の中での意識など、失敗しても壊れにくい尺八でひととおり経験を積んで、どうあるべきかを学んでおくのが良いと思います。
それが、楽器のオーナーになる上での責任でもあると考えます。

あとは、出費を許容できるかという問題になります。
(お薦めはしませんが、「最初にドンと高いものを購入してしまえば安易に辞められなくなる」という考え方もあるようです)

どのような経路で、どのような価格帯の楽器を購入するかについては、一つの意見を鵜呑みにせず、利害の様々なできる限り多くの人々の助言に耳を傾けて、納得のいく選択をして欲しいと思います。


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posted at 2008年06月15日 00:27 | Comment(0) | 尺八
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