055:上達の条件

尺八がうまくなりたいという気持ちは人一倍のつもりですが、この気持ちを形にする最善の策を教えてください。

「上達したい!」という気持ちは大事であり、崇高であり、また切実であります。

結論から申し上げれば、「好きこそものの上手なれ」と、結局これに尽きるのです。

上手な人というのは、周囲から見れば、よっぽど練習したんでしょう、すごいですねと称賛の的です。
でも当の本人は、大変だった、つらかったとかいう意識は全くなく、好きなことを我慢せずにやってきた結果なだけであって、頑張って努力をした、とさえも思ってないかも知れません。

尺八を吹くことに本能的な楽しみを見出せている人は、そのうち自然に、普通に上達します。
そうでもない人はそのまま続けてもまず上達できないし、そもそも上達する必要はないし、別にそれで全く問題ないと思います。


あなたは何故、尺八を吹きますか?

次のお稽古までに吹いとかないと先生に申し訳ないからとか、次の演奏会までになんとか形にしておこうとか、そんなことを考えていませんか?

「好きこそものの上手なれ」と、結局これに尽きるのです。


うまくなるためには、尺八を吹くことが大好きであることが必須条件です。
この点を可能な限り、ブレイクダウンしてください。

すなわち、自分は一体尺八のどこが好きなのか、どこに面白みを感じているのかを、ハッキリと顕在化させておくことです。

例えば筆者の場合、
大学3年のある日ひょいと吹いて出てきた「リ(乙のハ)」の音の堅さ、ツヤ、芯の通り具合がなんとも言い難く妙なる響きで、その後しばらくこれが練習モチベーションの根幹となりました。
楽曲でいえば、「壱越」「茉莉花」「さらし幻想曲」「五足十三和十八番」「土声」などは何度吹いても飽きませんでしたし、T-SQUAREの「TRUTH」(フジテレビF1中継のテーマ)をコピーするのが楽しくて楽しくて、相当懸命にやってました。
琴古流古典本曲の「空間を自由に創造してよい」フトコロの広さに宇宙を感じて心酔していた頃は、水と塩と本曲さえあれば1ヶ月くらいは生きていけるかもと半分くらいは冗談で思ってました。


今までの尺八人生で最高の瞬間、或いは楽曲、その中の1フレーズでも構いません、それを心に思い描くとき最高に気持ちいいもの、
それをハッキリと意識すると、そこからますます好きになっていく加速度的相乗効果が期待できます。そうなったらもう、止まりません。ご愁傷様です。

そういう意味では、成功体験がまだ少ない初学時が、実は最も上達することが難しい段階といえるでしょう。意思のある指導者による的確な方向付けと周囲の環境が重要となります。
(初学時はとにかくいろんな音を片っ端から聴いてほしいと思います)



あなたは、尺八のどこが面白いと感じていますか?

この問いに対するあなたの答えの厚みがそのまま、あなたの尺八の厚みです。

楽器と真剣に向き合っているかどうかのバロメータともいえます。

上達は、後から自然とついてくる結果に過ぎないことに、気付いてください。


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posted at 2009年02月26日 02:55 | Comment(0) | 尺八
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